TOP > 日本アルプス > 涸沢
2009年10月3-4日
1泊2日
木曽駒ヶ岳
木曽駒ヶ岳
涸沢


【ルート】
1日目: 上高地 明神 徳沢 横尾 涸沢(テント泊)
2日目: 涸沢 横尾 徳沢 明神 上高地
主な山 :-
行程 :1泊2日
宿泊 :テント
最低気温 :0度
難易度 :★☆☆☆☆
お勧め度 :★★★★☆

【コース概要】
超メジャー小屋を抱える涸沢。テント場からはアルプスの大自然を満喫できる素晴らしい立地。上高地と言うこれまたメジャーな観光地からスタートする。上高地から涸沢までは有名なコースとあって、非常に整備されており、幾つもある小屋ではゆっくり休憩できる。横尾を過ぎると、それなりの登山コースになる。
「たびねす」で涸沢のガイド記事書いてます。


紅葉が真っ盛りとのことで、予定を繰り上げて秋の涸沢に出かけた。
土日の行軍なので1泊2日。北アルプスの「聖地」で、いよいよテントを張る。

上高地へはマイカー規制が行われているので自家用車は周辺の駐車場に停め、バスを利用しなければならない。利用したのは沢渡(さわんど)駐車場。自宅からのアクセスが一番良かったからだ。適当に見つけた「沢渡市営第二駐車場」に停める。時刻は午前3時過ぎ。周りには結構な数の車がある。少し仮眠をとる。

5時過ぎに目が覚めるが、まだ周りは真っ暗。それでも幾人かは登山の身支度をしているのがわかる。上高地行バスの始発は5時40分ごろだったはず。軽く食事をして、身支度をし、6時少し前にバス停に向かう。天気は曇り空。時折、パラパラと小雨が降ってくる。天気予報では午後から晴れるというが、はてどうだろうか。

上高地まで幾つかのバス停を経由し、到着する頃には席もすべて埋まってしまった。早朝なのに大人気だ。みんな登山の装備をしている。上高地バスターミナルに到着した後は、トイレに行ったり、ストレッチを行って出発の準備をする。それにしても結構な人だ。ツアー客も多い。引率の人の指示に従って、皆が動いている。天気は相変わらずの小雨も交じりで、皆レインウェアを着こんでいる。空気もおいしく、寒さも感じない。
今日は午後から晴れとなっていたが、果たして晴れるのだろうか。


沢渡市営第二駐車場 バスの中 上高地バスターミナル付近


さすが、大観光地とあって上高地周辺の道はよく整備されている。
歩きだしてすぐに有名な「河童橋」に出た。しかし、天気は最悪。何も見えない。見ている人もいない。時間の無駄なので、先に進む。
分かってはいたが、道はなだらか。ほとんど起伏もなく歩きやすいが、雨が強くなる。仕方なしに上下レインウェアを着こんだ。雨の中の寂しい出だしとなってしまった。

人が多い。
先日の連休(雲ノ平)も人が多かったが、今日も負けないぐらいに多い。もちろん中高年も多いが、意外と若い人も目立つ。それだけ有名な場所なのだろう。

7時50分、明神館に到着。一息つく。
相変わらず荷物は重い(17kg)のだが、これが好きなのだから止められない。まだ体力は十分あるので、すぐに出発した。
小雨が降り続く。でも雨のおかげで空気は美味しい。マイナスイオンを伴っているのだろう。それから草木も生き生きしている。雨の良いところだろう。


道は整備されている 景色は無理のよう 雨の中の行軍



8時50分、徳沢に到着。
そろそろ疲れてきた。というより、今回から6年お世話になったトレッキングシューズを新調した。古いのは履き心地は良かったのだが、ソールは擦り減り、水も浸透してくるので買い替えざるを得なかったのだ。
で、その新しい靴が、痛い。まだ足に合っていないので、指が痛くなってきたのだ。辛いなあ、、これは。

たくさんの人が次から次へと到着し、今日の人の多さを感じてしまう。休憩したら力が回復したので、先に進む。
それにしても道は歩きやすい。いまだ大した起伏はないので、「山の中の散歩」といった気分だ。道も良く整備されている。
しばらくして梓川の眺望が開けてきた。そして、周りが急に明るくなる。日差しだ!待望の日差しが現れた。すると見る見るうちに青空が広がり、強い日差しが照りつけてきた。
「山の天気は変わりやすい」。暑く、不要になったレインウェアを脱ぎながらそう思った。


明神館 徳沢のキャンプ場 晴れてきた!


10時20分、横尾に到着。
ここでもキャンプを張れるようだ。しかしながらこの辺りまで来ると、今朝の雨が嘘のように快晴となっている。休憩していても暑いくらいだ。足は痛いが、先に進む。
この辺りから少し登山道らしくなってくる。岩や起伏が現れてきた。と言っても、まだ十分楽しく歩けるレベルだ。足が痛くなければなんだが。。
木々から漏れる日差しが森を美しく魅せる。人は多いが、魅力的なコースである。

しばらくすると屏風岩が見えてきた。立派なもんだ。これからはこれを周るように歩く。
12時ごろ、本谷橋に到着。綺麗な清流を眺めつつ、多くの人が河原で食事をしている。自分も何か食べようかと思ったのだが、あまりにも多くの人がいたのでそのまま通過してしまった。
でも、ここで食事を摂った方がいいとは、後で気づいた。ここから本格的な登りが始まる。


横尾 木漏れ日の差す登山道 屏風岩


道はこれまでとは打って変わって、急勾配になり、岩なども多くなる。周りの色づき始めた木々は美しいのだが、正直それを見ている余裕はない。足もとばかりに目が行く。また、相変わらず多くの人が登ったり下ったりしているので、なかなか自分のペースで登ることも難しい。メジャー観光地ならではの悩みである。

13時半を過ぎる。
大分涸沢の谷から上がってきた。目の前に穂高が見え始める。でも、登りはまだ続く。見事に登りが続いている。それでも先程に比べると傾斜は緩やかになってきたようだ。美しい山の紅葉も良く見渡せる。晴れてくれてよかった。

結構きつい。何がきついって、靴が新調したばかりなので、足の指が痛く、それを庇うように歩いているので足全体に負担となって疲れを増している。指には絆創膏やテーピングをしたのだが、しばらくするとそれらも効かなくなってくる。早く着かんか。。。


本谷橋 美しい景色の中きつい坂を登る 景色はいい



結局最後の最後まで登りであった。
14時15分、涸沢到着。たくさんの人がデッキでビールと名物のおでんを食べている。人が多い。とりあえず先ずはテント場へ向かう。早くテントを張って休みたい。
「おおっ」

涸沢テント場


予想通りのテントの山。これまでの場所よりはるかに多いテントが張られている。早速、適当な場所を探して、テントを張る。そして、昼食の時間は過ぎてしまったので、間食。相棒が作っている間に、トイレの確認とテント使用料の支払いに出かける(500円/1人)。テントに戻り相棒が持ってきてくれた缶ビールを飲む。

モンベル(mont-bell) ステラリッジテント 2型 SUYL [1~2人用] 1122283

「ああ、うまい」寝不足と疲れで眠くなってくる。少し、テント内でゴロゴロと横になる。それにしてもいい眺めだ。涸沢のテント場を囲むように険しい山々が連なっている。特別な場所、そんな雰囲気だ。
正直、紅葉は少し散りかけている感があるが、まだ何とか見られるレベルだったので良かった。。

知らないうちにテント内で眠ってしまう。やはり寝不足と疲れが溜まっているようだ。
しばらくして周りの騒がしい音で目が覚める。何だろうと思って外を覗くと、


うろこ雲


「すごい」
先程までとは全く違う涸沢の景色が広がっていた。こんな短期間でこんなにも表情を変えるとは。。すごい場所なんだと改めて思う。


おでんを買う人 小屋のデッキ テントから


日差しがなくなると急に冷え込む。夕飯を作って改めて食べる。涸沢なので「おでん」。美味かった。
夜は疲れていたのであっという間に眠ってしまった。20時就寝。




良く眠れた。
まるで自宅にいるかのような熟睡だ。だいぶテント泊にも慣れてきたようだ。結構冷えているように感じたので温度計を見てみると、何と0度。寒い訳だ。テントにうっすらと霜が降りているし、ターフに付いた水滴を払うと、しばらくして氷になる。寒いぞ、ここは。

さて、5時40分ごろに涸沢の名物がまたひとつ始まった。
モルゲンロートだ。これはドイツ語で「朝焼け」の意味で、山で日が昇る前に山が朝焼けでオレンジ色に染まることをいうらしい。ここ涸沢でもそのモルゲンロートが美しく見られる。
そして早朝のショーが始まった。


モルゲンロート


見事である。雄大である。自然の美しさを改めて感じる瞬間だ。今日も快晴。本当に感謝。


既にテントを撤収して、先に進んでいる人もたくさんいる。
でも今日はこのまま下山するので、折角だから涸沢を十分楽しみたい。朝食を食べ、カメラを持って少し撮影に出かける。紅葉と涸沢と撮りたい。
ここにはまだ雪が残っていて、慎重にその残雪を渡り、撮影を始める。結構カメラを持った人が来ていた。これだけの景色を前に考えることは写真好きなら同じであろう。我慢などできるはずがない。


秋の涸沢



来てよかった。
本当はもう1泊してゆっくり涸沢を感じていたい。1泊程度で立ち去るのは勿体ないぐらいだ。このままずーっと、シャッターを押していたい気分。青い空に赤や黄色の木々が映える。別世界なんだな、ここはまさに。


涸沢全景(クリックすると大きくなります)



こんな感じでもたもたしていたら、出発予定の9時を過ぎてしまい、出発は9時20分となった。
周りの山を惜しみつつ、涸沢を後にする。帰りはパノラマコースを通ろうと思ったが、相棒の反対で来た道を戻ることになった。何せ自分の足の状態が悪い。今日も10分も歩くと、すぐに痛くなる。仕方がない。また来るからいいや。

帰り道も、写真をじゃんじゃん撮りまくった。
何せ魅力すぎる。青い空に険しい山々。そこに黄色や赤や緑の木々が何とも見事に混ざり合う。歩いては撮り、歩いては撮りを繰り返す。お陰で1時間で下れる谷を、2時間もかけてしまった。足が痛いのもあったのだが。


どこを撮ってもきれい


10時半に本谷橋に到着。軽く昼食を食べ、先に進む。
足が痛い。。
その後も、ほぼ地図の時間通りに横尾、徳沢、明神と歩いてゆく。本来なら休憩などあまりなしで歩ける平坦な道だが、足が限界に近づいているので、すべての小屋で十分な休憩をとりながら進んだ。

15時を過ぎると風も冷たく感じる。
15時半、上高地の河童橋まで戻ってきた。行きに見られなかった、この風景を楽しむ。


この景色はお約束です


綺麗。でも涸沢には敵わないな。やはりあれは苦労して行った者だけが見られる景色だろう。
時間が遅くなったお陰か、ほとんど並ばずに沢渡行きのバスに乗ることができた。でも、満席だったが。

16時20分、沢渡の駐車場に戻る。ふらふらになって車に戻り、近くの足湯に浸かる。

「ああ、幸せだ」
40度もあり熱いのだが、幸せなのである。「沁みる」、とはこのことだろう。贅沢この上ない。


「沁みる」とはこのこと


秋雨前線で毎日雨だったのに、土日だけはしっかり晴れてくれて最高の山行となった。
「晴れ男(自称)」はまだ健在のようだ。
バス利用、駐車利用金と結構お金のかかる涸沢だが、それに見合った価値はあるようだ。それに山を守る為のお金だと思えばなんてことはない。
是非、新緑とそして来年の紅葉もまた来たい。
本当に本当にそう思った。




データ
沢渡 市営第二駐車場 広くて駐車しやすい。500円/1日。1000円/1泊。無料の足湯があり、登山で疲れた足には最高。
場所はここら辺。上高地からのバスは「沢渡中」で降りる。
上高地行バス 沢渡駐車場から乗車。片道1000円(往復2000円)。朝の始発は05:40分ごろ。
涸沢テント場 500円/1人。受付はテント場中央にある小屋。ここが閉まった後は、小屋で受付が可能。
水場、トイレは小屋のものを利用。また、シェラフ2000円、マット500円、テント5000円で
レンタルも可能。
涸沢の様子 涸沢の様子はこちらのサイトが便利です。紅葉の進行度や登山道の状況も分かる。ただ、「朝の温度」は
食事時のものとなっているが、当てにしない方が良い。(記載10度⇒本当は0度など)
ルート所要時間
Day1
沢渡(06:00)⇒上高地(06:40)⇒明神(07:50)⇒徳沢(08:50)⇒横尾(10:20)⇒涸沢(14:15)【8h】
Day2
涸沢(09:20)⇒横尾(12:30)⇒徳沢(13:30)⇒明神(14:30)⇒上高地(15:30)⇒沢渡(16:20)【7h】
※沢渡〜上高地間のバスの所要時間は約30分





日本アルプスTOPへ