TOP > 日本アルプス > 涸沢
2010年8月27-29日
2泊3日


【ルート】
1日目: 室堂 雷鳥沢キャンプ場 剣御前小屋 新室堂乗越 雷鳥沢キャンプ場(泊)
2日目: 雷鳥沢キャンプ場 剣御前小屋 別山 真砂岳 大汝山 雄山(神社) 一ノ越山荘 雷鳥沢キャンプ場(泊)
3日目: 雷鳥沢キャンプ場 地獄谷 室堂
主な山 :別山(2,874m)、大汝山(3,015m)、雄山(2,991m)
行程 :2泊3日
宿泊 :テント
最低気温 :7度
難易度 :★★☆☆☆
お勧め度 :★★★☆☆

【コース概要】
日本百名山のひとつ。黒部アルペンルートのお陰で、全く登山しない人でも近くまで来てアルプスの雰囲気を楽しむ事が出来る場所。立山は霊峰とされ、雄山山頂にある神社ではお祓いなどを受けることもできる。今回は雷鳥沢から立山縦走を行う。標高は3,000mを超えるが、難しい難所は特にない。ただ、歩行時間が長くなる為時間的配分と、体調の管理には注意したい。



立山一望
立山一望
(左真ん中付近から別山、真砂岳、大汝山、そして右端の雄山までを歩く)


Day 1
(立山駅→室堂→雷鳥沢→剣御前小屋→雷鳥沢)

立山に行く事にした。
茫然と雷鳥沢キャンプ場の雰囲気がいいという事で、いずれは行きたいと思っていた場所である。お盆がすべて雨になり、どこにも行けなかったので、ゆっくりと自然を楽しめる場所に行きたかった。

夏の為にとっておいた有給を使い、金土日の3連休として立山を楽しむ。
と言う訳で、仕事が終わった木曜の夜にとっとと自宅を出発。立山へは富山ICから向かうので、またしても東海北陸道を通らねばならない。以前、白山に行く時に間違って使った高速である。だが、今回はしっかり調べたので大丈夫。

深夜の高速を走る。平日の夜ということで、非常に空いている。交通量の多い中央道などとはえらい違いである。それにしても、仕事を終え、徹夜で高速走って、そのまま登山ってスタイルは、いつまで続けるのだろうか。もっと歳食ってきたら、辛いんだと思う。はてはて。

真っ暗な富山ICを降り、国道41号線を南下して、県道35号線に入る。ちなみに、持っている地図が名古屋周辺のものなので富山県などは非常に大まかな地図しかない。後から思うとよく深夜に行って辿り着けたなあと思うほどである(貧乏庶民なのでカーナビなどない)。
県道35号線からは時折見かける「立山国立公園」という小さな看板を頼りに進み、午前5時過ぎ、出発地点である立山駅に辿り着いた。平日なのだが、無料駐車場には結構な車が止めてあり驚いた。


ここからは乗り物に乗る。ご存じだと思うが、この立山駅から色んな乗り物を乗り継ぎ、立山連邦や黒部ダムなどを観光してゆくコースを「立山黒部アルペンルート」と言う。なのでここには登山客じゃない一般の観光客もたくさんいるし、我々登山をする人間もこれを利用して途中の室堂などへ行く。つまり登山するのに「お金」が結構掛かるってことだ。


立山駅周辺の無料駐車場 ケーブルカーの駅 朝のケーブルカーは大混雑
立山駅周辺の無料駐車場 ケーブルカーの駅 朝のケーブルカーは大混雑


切符売り場で室堂までの往復チケット(4,190円/人【立山駅⇔美女平⇔室堂】、5日間ほど有効)を買い、まずは午前7時10分発のケーブルカーに乗る。立山駅標高475mから、美女平標高977mまでを約7分間掛けて登る。
その後バスに乗り換え、標高2,450mまでの室堂まで50分程で登る。当然のことだが、この間に景色は目まぐるしく変わり、立派な杉林から低木地帯、高原、そしてアルプスの山岳風景へと移り変わる。ちなみにこのバス、荷物が10kg以上だと別料金(300円)を取られる。相棒と二人で600円を払った。


室堂に着くと、ひんやりとした空気が体を包む。さすがに下界とは気温が違う。室堂ターミナルは3階建の立派な建物で、レストランや売店、郵便局、乗り継ぎ駅などの機能を備えている。

外に出てみると見事な景色が広がった。立山連邦を一望できる。天気も良く、青空と緑の山々が美しい。いい1日になりそうだ。
ちなみにここには「玉殿の湧水」という日本百名水に選ばれた水が湧いている。試しに飲んでみたが、冷たくて美味しかった。でもやっぱりまだ三俣キャンプ場に勝てる水には巡り合えていない。


バスからの風景 室堂に到着 百名水「玉殿の湧水」
バスからの風景 室堂に到着 百名水「玉殿の湧水」


準備体操を終えて、午前8時半いざ出発。
・・・って、道良過ぎ。
すべて石とコンクリートで舗装されている。いつもの登山と違う出発に少し戸惑う。
すぐにみくりが池に到着。立山との景色が美しい。でも思う。ちょっと整備され過ぎだなあ。綺麗なんだが、何だかすべてが作られたような感じがして、少し白けてしまう。
舗装工事の間を抜け、午前9時半に雷鳥沢キャンプ場に着く。さすが噂に聞くだけあって、広い。そして平らである。適度な石もたくさんあり、テントも非常に張り易い。トイレ、水場も清潔で、至れり尽くせりって感じがする。


室堂周辺は非常に整備されている みくりが池 中央が雷鳥沢キャンプ場
室堂周辺は非常に整備されている みくりが池 中央が雷鳥沢キャンプ場


受付を済まし、テントを張り終えてもまだ10時半。とりあえず足慣らしに剣御前小屋まで行く事にした。登りは2時間、できれば別山まで行きたい。

モンベル(mont-bell) ステラリッジテント 2型 SUYL [1~2人用] 1122283

キャンプ場下の橋を渡り、いよいよ本格的な登りが始まる。ここからはいつもの登山道だ。嬉しい(?)事に、ものすごい晴天で、強い日光が全身に降り注ぐ。だが、強い日差しや冷たい風と言うのは、予想以上に体力を奪って行くもので、例外にもれなくすぐに疲れてきた。たくさんの人が通るので、道はそれなりにいいのだが何故か異様に足が重い。テントや寝袋などはキャンプ場に置いてきているのでいつもよりは軽いはずなのだが、鉛が付いたように足が進まない。
1ヶ月ほどブランクがあった為だろうか。終盤では数秒登っては休憩を繰り返し、予定より1時間遅い午後1時過ぎに剣御前小屋に到着した。3時間もかかってしまった。寝不足、1カ月のブランク、そして急な標高の変化に体が慣れていなかったとは言え、たった3時間でこの疲れ方は経験がない。軽い高山病にでもなっていたのかもしれない。


雷鳥沢キャンプ場 登りだだんだんきつくなる 剣御前小屋に着く頃にはフラフラに
雷鳥沢キャンプ場 登りがだんだんきつくなる 剣御前小屋に着くころにはフラフラに


小屋付近は既に濃い霧に包まれており、そびえ立っているはずの剱岳も全く見えなかった。・・・と言うか、疲れ果ててしまい、しばらく座って動けなかった。本当は今日は別山まで行き、下る予定だったが、これは無理と判断して新室堂乗越経由で雷鳥沢キャンプ場まで下る事にした。無理は厳禁。

帰りは意外になだらかで、行きのような苦行ではなかったのだが、霧から小雨に変わったり、景色が見えなくなったりと少し残念ではあった。まだ少し残っている高山植物や、羽の色が白っぽく変わり始めた雷鳥などが見られたのが救いであった。


新室堂乗越経由で下山 ミヤマアキノキリンソウ 雷鳥沢に近付くと歩道も良くなる
新室堂乗越経由で下山 ミヤマアキノキリンソウ 雷鳥沢に近付くと歩道も良くなる


キャンプ場に戻ると午後3時半。たった5時間の山行だったが、へとへとになってしまった。夕方からは雨が降り、外で食事が作れず、そのままテント内で眠りこんでしまう。
夜になって晴れてきて、星空が綺麗になったが、何より疲れた一日であった。



Day 2
(立山縦走)

寝過した。
午前4時起床、5時スタートの予定だったが、5時に目が覚めて出発は6時15分と随分遅くなってしまった。ものすごい爆睡で、多分これまでの山の中で一番の睡眠だったように思う。とにかく良く眠れた。

天気は快晴。暑くも寒くもなく、運動にはちょうどいい。今日は昨日と同じ剣御前小屋まで行き、そこから別山、大汝山、そしてできれば雄山まで行きたい。まさに立山縦走だ。今日、このコースを歩けると、最終日が非常に楽になる。と言う訳で、張り切って出発する。

登りの辛さは昨日を同じだが、朝日陰のうちは涼しくて足も良く進む。昨日バテバテで休憩していた場所なども、今日はスイスイと通過。自分のことながら、全く別人のように思えるほどだ。やはり昨日はおかしかったようだ。
昨日3時間かかった登りが、今日は1時間45分。ほぼ地図の時間通りに到着した。


張り切って出発! 今日は体調がいい 2時間弱で小屋に到着
張り切って出発! 今日は体調がいい 2時間弱で小屋に到着



そして剱岳を見る事が出来た。


剱岳
剱岳



いずれ登る。
今はまだ行かないが、いずれ必ず登る。多くの山をやっている人が憧れる剱岳。いつか登りたい。


今日はまだ十分体力があったので、少し休んですぐに別山に向かった。ここからは稜線歩きが始まる。少しガスって来ているので、できるだけ早目に行動したい。
別山までは2,3の小ピークを越えた先にある。景色は左側に剱岳(もう見えんくなったが)、右手には雷鳥沢から室堂全部が見渡せる。非常に贅沢なコースである。しかしよくこんな高い場所まで登って来たのだと、改めて思う(ほとんどバスだが)。気持ちの良いコースを登り下りすると、別山にある祠に着いた。山頂は意外に広くなっていて、休憩にはちょうどいい。ただ、雲が出始めているので、先を急ぐ。


雷鳥沢や室堂が一望 小ピーク 稜線歩きが始まる
雷鳥沢や室堂が一望 小ピーク 稜線歩きが始まる


別山から次の真砂岳まで、綺麗に稜線が描かれている。天気が良ければ最高の稜線歩きができるのだが、ちょっとガスって来ているので心配でもある。
予想通りに稜線は風が強かった。上から見ると室堂や雷鳥沢と言うのは、この立山連邦が大きな壁となっている事が良く分かった。最初にこの立山に風が当たり、雲ができ、そして室堂に雨が降る。そんな感じだ。だから今はまだキャンプ場は日が照っている。

風が強い。そして冷たい。立山の裏側は雪がまだたくさん残っていて、そこから吹き上げてくる風なので尚更冷たい。右手に広がる雷鳥沢の風景は素晴らしいのだが、目の前に広がる道はガスって手少し気が滅入る。
午前9時45分、真砂岳に到着。何だか寂しい山頂だ。風が強く、寒いので先に進む。


別山から稜線を下る 風が強い稜線 真砂岳山頂
別山から稜線を下る 風が強い稜線 真砂岳山頂


右手はこの景色
右手はこの風景


大走りへ通じる分かれ道に辿り着く。
ここから雷鳥沢キャンプ場へ戻ることもできる。昨日と違い体力的には十分なのだが、何せこれから行く大汝山、雄山が、


雄山方面は霧の中
雄山方面は霧の中


この有様である。
風が当たらない場所を探して座り、相棒と協議する。下るか、進むか。
結論は、「進む」である。相棒の体調が少々優れないのだが、明日また雄山などに登るのは時間的に辛いので、今日縦走してしまうことにした。多少景色が勝れないのは仕方がない。

さて、登りである。
ここから富士ノ折立まではちょっとした登り(岩場)となる。今考えれば、今回の山行で一番の難所であったように思う。手を使うほどではないが、ちょっと注意して登らなければならない場所が続く。足場も岩が多くて、浮石などには気をつけたい。標高も3,000m近くなっているので、登りは息もゼイゼイとなる。ガスってなければまだましだが、寒さも相まって辛い登りとなった。

11時過ぎに富士ノ折立を過ぎ、途中でカップ麺を沸かして食べ、午前11時半に大汝休憩所に到着。
ガスってはいるが、結構多くの人が休んでいる。トイレ使用料100円。こんな場所にまでトイレ、売店があり物が手に入るとはさすが立山。登山しやすい山だ。


大汝山への登り 大汝休憩所 大汝山山頂(3,015m)
大汝山への登り 大汝休憩所 大汝山山頂(3,015m)


この休憩所から少し上がると、立山で最高地点となる大汝山(標高3,015m)となる。岩をよじ登り、山頂に辿り着く。本当に岩だらけだ。ちなみにここから雄山辺りにかけて黒部ダムを見る事が出来る。相当大きなダムなのだが、さすがに3,000mから眺めると小さく見える。

大汝山を過ぎると、すぐに雄山山頂が見えてくる。頂きに小さな祠があるので、すぐ分かる。予想よりも近かったので、少し安堵。岩が多い道を進み、浮石に注意しながら雄山山頂への登りを上がると、、、えっ?何この人だかり・・・


雄山山頂付近
雄山山頂付近


これまでの静かだった登山が一変した。人、人、人である。どこからこんなにも人が沸いて出たのか不思議に思うぐらいに大混雑している。しかも山頂にあるこの神社、雄山神社峰本社というのだそうだが、標高3,000mにあるにしてはかなりしっかりと作られている。すごい。。
ちなみに雄山山頂は、峰本社・神殿となるのだが、ここに行くには参拝料(500円)を納めなければならない。鳥居がある場所で参拝料を納めると、お札などをくれる。これを持って登ると、神殿の前で神主がお祓いをしてくれる。最後に少しだがお神酒も頂ける。美味しかった。

いやいや、さすが霊峰立山。趣があって良い。ちなみに残り二か所あるのだが、それは富士山、そして以前登頂できなかった白山である。いずれ白山にはリベンジするべ。


峰本社・神殿 神主がお祓いをしてくれる 山頂付近
峰本社・神殿 神主がお祓いをしてくれる 山頂付近


さて、下山。一応予定だった立山周遊ができたので、これで満足。
ちなみに立山は「難しい」というイメージがあったので、帰りの下山道はどんなんだろう、、って心配していたのだが、先程の大量の人々が同じ方向に向かっており、それで安心した。これだけの人が下るのだから、難しいコースであるはずがない。
予想通り、雄山山頂から一ノ越(山荘)までは、急で岩も多い道であったが、下るには特に問題のある道ではなかった。問題と言えば、人が多すぎて渋滞が起きたりしていることだ。しかもかなりの軽装(スニーカーやジーパン等)で来ている人も多く見かけた。ずるずる滑ったりしていて、見ていて危ない。
ここらまで来て分かったのだが、室堂から雄山までの往復登山が相当なメジャーコースで、それ目的に来ている(登拝)人がたくさんいるようだ。


さて、下り。 たくさんの人で渋滞 一ノ越から雄山を眺める
さて、下り。 たくさんの人で渋滞 一ノ越から雄山を眺める


一ノ越まで下りてくると、一安心だ。
ここからしばらく舗装された道路を観光客らと歩き、途中から分かれ道を雷鳥沢に向けて登山道を下る。圧倒的に人の数は少ないが、こちらの方が静かに歩けてほっとする。
午後3時、雷鳥沢キャンプ場に到着。約9時間の立山縦走が無事終わった。

尚、夕方からまた雨が降り出した。今日は雷付きの雨である。雷が横に走ったりと、見ていて凄かったのだが、やっぱり疲れには敵わず午後7時過ぎには眠ってしまった。



Day 3
(雷鳥沢→室堂→立山駅)

最終日も快晴。
今日はどこに行く予定もないので、ゆっくりとキャンプ場で朝を過ごす。朝方は7度ぐらいまで気温が下がり、少し寒かったが、長袖を着込んでゆっくり朝食を食べたりして最後の時間を楽しんだ。
帰りは地獄谷を通り、室堂に到着。今日も快晴で、室堂付近にはたくさんの観光客で溢れていた。お土産を買って、バスとケーブルカーで立山駅へ下る。


地獄谷1 地獄谷2 今日もいい天気
地獄谷1 地獄谷2 今日もいい天気


下界は暑い。
やっぱり山の上が涼しくていいや。



立山駅無料駐車場 無料の駐車場。立山駅の周辺に点在している。超有名観光地の割には収容台数が足らないようで、休日に遅く来ると空きがなく、路肩に止めてある車がたくさん見られる。トイレあり。詳細はこちら
立山駅→美女平 ケーブルカーを利用。標高475mの立山駅から標高977mまでの美女平を約9分間でつなぐ。
美女平→室堂 バスを利用。標高2,450mまで一気に登る。所要時間50分。料金は上記ケーブルカーと合わせて4,190円(往復/5日間ほど有効)。
また荷物が10kg以上の場合は、ひとつにつき300円の追加料金を取られる(預け荷物になる)。
雷鳥沢キャンプ場 500円/泊。2泊以上は何泊しても1,000円。水、トイレあり。300張りほどの広さがあり、全体的に平面で手ごろな石も多い。近くの管理小屋で料金を支払う。売店、温泉はヒュッテまで行かなければならい。
雄山神社 雄山山頂にある神社。神殿への参拝は500円納める。お祓いと、お札、お神酒をくれる。
【おまけ】
お土産
「星の雫」、立山で売られているお土産です。チョコレートを使用していないのだけど、ミルクパウダーでまるでホワイトチョコレートのような味がします。中はナッツ。甘党の自分にはテレビを観ながらだと知らず知らずに食べつくしちゃうぐらいです。立山付近でたくさん試食できるので是非どうぞ。1,000円。


Day1
室堂(08:30)⇒雷鳥沢キャンプ場(09:30)⇒剣御前小屋(13:15)⇒新室堂乗越(15:00)⇒雷鳥沢キャンプ場(15:30)【7h】
Day2
雷鳥沢キャンプ場(06:15)⇒剣御前小屋(08:00)⇒別山(08:40)⇒真砂岳(09:45)⇒大汝山(11:50)⇒雄山(12:20)⇒一ノ越山荘(13:30)⇒雷鳥沢キャンプ場(14:50)【8.5h】
Day3
雷鳥沢キャンプ場(08:50)⇒地獄谷(09:10)⇒室堂(09:50)【1h】



日本アルプスTOPへ