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2015年3月21日
日帰り



    

登山日 2015年3月21日
登山時間 長泉寺登山口⇒16鉄塔⇒17鉄塔⇒林道出合⇒北登山口⇒山頂⇒林道出合⇒長泉寺登山口
(08:00⇒08:35⇒09:05⇒09:30⇒10:15⇒10:30⇒11:15⇒11:35 / 約3時間35分)
登山口までの移動手段 自家用車
天候 曇り時々雨、一時晴れ
短評 踏み跡が薄いので地図や方位磁針、そしてルートファイティングも必要な山。
ガイドブックだけでは間違えやすい。展望は良い場所もある。
難易度
おススメ度
「新・こんなに楽しい愛知の130山」
愛知の低山登山の決定版!低山だからと言ってあなどれない山々。
管理人もこのガイドブックを片手に頑張って登ってます。



色々と私用が忙しくてすっかり山から離れてしまっていたが、冬が過ぎ少し暖かくなってきたので130山に出掛けることにした。
目指すは大笹山と猿ヶ鼻。ともに奥三河の山深部に残った山だ。雪もなく虫もおらず、少しひんやりする3月は、130山にとって多分一番いい季節。この時期にこの奥三河を登っておきたい。

起床5時。そして5時半には家を出る。おっさんになってくると、結構朝に強くなる。嬉しいやら悲しいやら。。
残っている130山はすべてナビに登山口をセットしてあるので移動も楽々だ。早朝なので車も少なく、快調に走る。
走ること2時間、ナビは到着地点を示した。が、目指す大笹山の登山口である長泉寺が見当たらない。ナビのガイドが終わってもそのまま走り続けると民家に当たり、行き止まりとなってしまった。

ナビにはこの辺りの詳細な地図がなく、おおよそでセットしてあったのでちょっと場所を間違えたようだ。仕方がないのでスマホの電波の届く場所まで戻り現在地を確認。すると少し前の分かれ道を間違えていたようだ。ほっと一安心。しかし便利な時代になったもんだ。


8時半、目指す長泉寺に到着。30分ほど時間をロスしてしまった。
準備体操をしていざ出発。久しぶりの登山に心が躍る。


東薗目長泉寺 長泉寺隣にあるふれあいプラザ 建物の前にある駐車場


長泉寺の境内に入り、その建物の向かって右手に山に続く道がある。ここが大笹山の登山口だ。お寺には誰もいないようだが、お寺付近にはカエルがたくさんいた。しかもちょっとデカい。最初出会った時はちょっとびっくりした。大きさにして15cmぐらいはある。いきなりのデカカエルにちょっと焦ったが、刺激しないように先に進む。

まあでも考えたら気温は9度ぐらいしかないので変温動物では動けないのだろう。ここ最近の昼間の暖かさに冬眠から覚めたのだろうが、朝晩の冷え込みにカエル自身もびっくりしているのかもしれない。

お寺右手に伸びる登山道 大きいカエルがいた 大笹山登山口


登山道は意外によく踏まれていた。大笹山に関する標識は一切ないが、とりあえず山道に沿って歩く。
今日は天気予報では晴れであったが、残念ながらまだ曇りだ。最初はいつも通りの杉林なので、当然薄暗い。しかも2日前に降った雨の影響で登山道も湿っている。G.W.以降ならヒル(ここらはいるのかな?)やらよく分からんヤスデの類のパラダイスだろう。3月はまだ大丈夫だ。

しかし久しぶりに130山に挑んでいる訳だが、改めて思うのはこの130山とは孤独との戦いである。基本的にひとりで登るのは嫌いではないが、誰もいない薄暗い山中をただただ一人で息を切らし登る。心の中はもちろん、疲れてくると声に出しての独り言が多くなる。暗い山林はどうしても気分が滅入るのだが、それを吹き飛ばすかのように独り言を口にする。


さて、山道だがだんだん細々くなってきた。道をふさぐような倒木も結構出てきたし、なにより谷側に落ちそうな道は結構危険だ。そして間もなくして道がなくなった。。
どうやら間違えたらしい。山道の左下に川があるのだが、地図で確認すると全く違う方向であった。
なんなんだこの道は?

戻る戻る。地図を見ると登山口から東の方に正しい道は伸びている。目の前にある山腹を登るのは間違いないようだが、その登山道が全く見つからない。
大分戻りだんだん不安になってきたが、登山口からすぐの場所にある「NO.17(鉄塔の番号ね)」と書かれた黄色い標識の示す方に、山腹を登る登山道が伸びていた。こんな最初から間違えていたのかと愕然とする。いつもの癖でよく踏まれた道へ道へと勝手に進んでいたようだ。これは反省である。

よく踏まれている方へ 登山道がなくなった・・・ 直進が間違い。これを見落としていた。


さて、薄暗い杉林を登る。意外と最初から登りがきつい。道を間違えたのでその分疲れも少し出てきている。しかしまだ登り始め、頑張らなくては。
10分ほどのきつい上りを登りきると、鉄塔が見えてきた。地図にもある17番の鉄塔である。登山道が予定通り進むと嬉しいもんだ。
ここからは中々見晴らしがいい。生憎曇っているが晴れていれば良い景色なのだろう。恐らく手前は軒山。その奥にはまだ未踏の古戸山、そして御殿山らしき山も見える。

さてあまり時間はないので、登山道が続く広い方へと行く。
・・・が、またしても途中で道がなくなった。次は鉄塔の16番へ向かうので、電線の真下を歩いているはずだから方角的には間違いはないのだが。。
そしてまた地図をよーく確認すると、電線を交差するように進まなければならなかった。また間違えたのか。。所々にある道は、林業の方や鉄塔の管理の方が使う道なのかもしれない。

山腹登りは結構辛い 鉄塔17番と奥三河の山々 作業用なのか、登山道なのか・・・また間違えた。


感覚的には17番鉄塔をそのまままっすぐに直進すると、正しい登山道につながる感じかな。とりあえず地図と方位磁石をしっかり見て進むことをお勧めしたい。
20分ほどで(この間の登りもきつい)次の鉄塔が現れた。16番のようだ。あー、しんどい。久しぶりの登山なのだが、やはりこの登りは足にくる。
なおこの16番鉄塔からの眺めは先ほどのものより良い。天気さえよければなあ。。残念。

また道がなくなった・・・ 16番鉄塔 景色はよい


ここから少しだけやや緩やかな道となる。助かる。
まあしかしそんな優しい道もあっという間の終わり、再び登りがきつくなってくる、しかも今度は笹が出現する。幸い、登山道には余りはみ出していないのでよいが、下手をすればヤブ漕ぎである。ところで誰が刈ってくれたのかな??

笹の道が終わると、平たいというか針葉樹の間というか、なんとも表現し辛いのだが、踏み跡が極端に少なくなる場所に出くわす。再びここでも道を少し間違えるのだが、すぐに戻ってよく道を見ると、テープがしてる木々もある。これを見落とさずに歩くべきだった。今日は良く道を間違える。

しばらく優しい道を歩く 笹が出てきた また道を間違えた・・・



さて、20分ほど歩くと林道に出た。もう一息だ。
林道をそのまま左方向に進む。しかし舗装された立派な林道だが、これは一体どこに繋がっているのだろうか。。。

やがて白と赤に塗られた鉄塔が現れる。地図ではこの鉄塔からまた登山道になる。ピンクのリボンもついているし、間違いないだろう。
気合を入れて山道に向かう。・・・が、あまりにも大量のススキに撤退をする。ちょっと歩ける感じではない。無理に進めばいいのかも知れないが、ちょっとそれも違う気がする。
とりあえず林道をそのまま登って、途中から無理やり登山道らしき場所に向かって登ることにした。

舗装された林道 白と赤の鉄塔 鉄塔の麓から山道に入るのだが・・・


GPSで場所と大笹山の方角を確かめながら歩いているのだが、何だかよく分からなくなってきた。
白赤の鉄塔から無理やり北に進むと、突然広い場所に出た。下りてみると林道からも来れる場所のようだ。右手に山々の展望が広がっている。これが地図にある「展望の高台」なのか?

とにかくGPSで場所確認だけは頻繁に行い、先へと進む。すると、まあるい山が現れた。おそらくあれが目指す大笹山だろう。まだ結構あるんだなあ。

広場に出た 良い眺望 恐らくあれが大笹山


目標の山が見えて安心したのも束の間、広場から続く道を先に進むとやがて急な下りを経て、なんと先の林道に戻って来てしまった。地図を見ると高台からは結構な崖になっている方へ道は進んでいるが、あそこに下る道なんてあったのか??
訳の分からぬまま、林道から山頂に登る道を探すために歩き続ける。

しかしこの林道、しっかりと舗装されている割には車は全く来ない。多くの落石がそのままにされているのがその証拠だ。途中から未舗装になったりと、一体この整備に何の意味があるのか分からない。

急な下りを進むと、 またしても林道に出た・・・ 仕方がないので林道を歩く


林道を歩く。誰もいない林道をひたすら歩く。GPSの地図では、既に大笹山の山頂を過ぎてしまっている。しかし崖の様な壁が立ちはだかり、行くことができない。
地図には林道の先の方にも大笹山の登山口があるようなので、とりあえずそこを目指すことにした。どうも今日は上手く行かない。
林道を歩くこと15分、ようやく大笹山の登山口に辿り着いた。「北登山口」と書かれている。ああ、これで山頂に向かうことができる。

喜んでいるのも最初のみ。山に入った途端、急な登りが迎えてくれた。しかし山頂を捉え始めているので、足に鞭打って登る登る。

林道を歩く 大笹山北登山口 急な坂を登る


まあそれでも登りはきついが、正しい道を登っているので安心して登ることができるのは確かだ。道に不安があって登るのとは大違いだ。
伐採された木々の間を登ったりして死にそうになりながらようやく山頂に辿り着いた。時刻は10時半。2時間半も掛かってしまったのか。。

山頂には見晴らしもないし、登山グループの方々が付けた標識があるぐらいなのですぐさま下山に掛かった。
ちなみに山頂から伸びている別の道がある。これをたどれば本来歩きたかった道に出るのだろうか。ちょっと行っていることにした。

笹の道を過ぎて、かなり下る。GPSで確認しながら下っているが、どうも方角的に違うような気がする。違う山の尾根に向かっている感じだ。このまま行けばもしかしたら道が曲がって正しい方向に行くのかもしれないが、ちょっと今はそんな冒険をしている余裕はない。安全に山頂まで戻って、来た道を帰るのがいい。

どうも自分はこの山に嫌われているのかもしれないと思うようになってきた(笑)。

伐採された道を進む 大笹山山頂 逆の道を進んだのだが・・・


山頂まで戻り、北登山口、林道出合まで来たころには、空がかなり曇ってきた。山道も暗い。そして16番鉄塔まで来るとパラパラと小雨が。。急いで下る。
途中、急いで下ったせいか足が悲鳴を上げ始める。それでもギアをあげて下る。
11時35分、3時間半かかってようやく戻ってきた。しんどかった。。。

ちなみにカエル君はまだいた。数匹。よく見ると寺の脇に池があって、そこにたくさんいる。あそこからやって来ていたのか。


これから登る人へのアドバイス

・踏まれた山道に頼らず地図と方角をしっかりと確認しながら進む

・白赤鉄塔まではガイドブック通りでOK。そこからは林道を進み、北登山口より山頂を目指す

ガイドブック通りに登りたい人は別として、山頂を目指すのが目的ならば現在(2015年3月)は大笹山北登山口から登るのがベスト。
山頂の南斜面は行けないこともないが、場所が分かり辛い上、背丈以上もある笹の中を進まなければならない。






    

登山日 2015年3月21日
登山時間 猿ヶ鼻登山口⇒一本杉峠⇒猿ヶ鼻山頂⇒猿ヶ鼻登山口
(12:30⇒12:35⇒12:55⇒13:10 / 約40分)
登山口までの移動手段 自家用車
天候 曇り時々雨、一時晴れ
短評 短い。展望もないのであっという間に終わってしまう。峠の一本杉は中々見事だが、
何よりここまでのアクセスが大変。。
難易度
おススメ度
「新・こんなに楽しい愛知の130山」
愛知の低山登山の決定版!低山だからと言ってあなどれない山々。
管理人もこのガイドブックを片手に頑張って登ってます。



思わぬ苦戦した大笹山を終えると時刻は11時半。せっかくここまで来ているので、奥三河の中でも一番奥にある猿ヶ鼻にも登っておきたい。ナビをセットすると約40分で到着する。準備をして車に乗り込むと11時50分。12時半過ぎには着く予定だ。130山の原則として「13時以降に新たな山へは入らない」としているので、何とかそれにも間に合いそうだ。

天候はいまいち。大笹山の下山時にはパラパラしていたのだが、走り出すと晴れ間ものぞく。とは言え山の上の方には分厚い雲がたくさんあるので、長い山行は控えた方がいい。1時間で登れる猿ヶ鼻はまさにぴったりだ。


途中国道が工事をしていたりして思わぬ時間が掛かる。この辺りはたくさん橋やら道やらを作っている。登山好きにはアクセスが便利になるのは非常に歓迎だ。

しかし遠い。大きな国道ですっとは行けないので仕方がないが、細く曲がった県道をくねくねひたすら走る。やがて佐久間湖が見えてくるので、今度はその湖畔を走る。対向車はほとんどない。あっても工事用のトラック程度。そしてたくさんの小さなトンネル。すれ違うのが大変なトンネルだ。しかしよくこのような道を作ったものだ。頭が下がる。


12時40分、ようやく一本杉トンネルに辿り着く。すぐ脇に2台ほど車を止められるスペースがあり、そこに駐車。
すぐ目の前に猿ヶ鼻登山口の標識が。これは嬉しい。すぐ見つかった。

足が少し痛むがいざ出発。
最初から急傾斜。最近登る山はみんなこんな感じだ。それとも自分が退化しているのか?
天候がすぐれないので少しペースを上げる。と言っても、すぐに息が上がり立ち止まって休憩。しんどい。まあそれでも藪もないし、変な虫もいないので気は楽だ。


トンネルの隣に2台分ぐらいの駐車場がある 猿ヶ鼻登山口 最初から結構急だ


やがて峠に着く。ちなみにこれを書いていてびっくりしたのだが、一本杉のある峠までは約5分で到着している。結構厳しかった登りは、たったの5分だったのか。登りは非常に長く感じるものだ。
峠とあるが、最初は気付かなかった。ただここの一本杉は立派である、これにまず目が行く。その後にようやく峠だと気付く。近くに小さな小屋があるのだが、ちょっと不気味。薄暗い中にあるのでなんか出そうだ。
そして峠なので風が強い。じっとしていると汗をかいた体がどんどん冷やされていく。休憩もそこそこに先に進む。

峠に着いた右手、一本杉を背にして東南に進む。
ここからも結構急な坂が続く。岩が出ており、足場も良くない。尾根になっているようで風もある。ちょっと薄暗いので注意して進む。
しかし人気(ひとけ)の全くない山深き猿ヶ鼻だが、驚くことに踏み跡はしっかりとある。先の大笹山よりはっきりしている。そんなに登る人がいるのだろうか。リボンもテープもしっかりと付いている。有難い。

急斜面が続く 峠の一本杉 岩も混ざった悪路


天気もはっきりしないので薄暗いのだが、それもよりも静かさが人を不安にする。風の音は結構しているが、それ以外全くの静寂だ。時々鳥の鳴き声がする程度。あとは自分のクマよけの鈴か。正に孤独との戦い。
そんな静寂を破るかのように、尾根の下の方から木々を折りながら移動する音が聞こえる。鳥が飛んでガサガサする音はたまに聞こえるが、枝ぐらいの木々を折りながら移動するとなるとそれなりの体重が必要だろう。

クマか?いやカモシカか?
とりあえず腰につけているクマよけの鈴を思い切り鳴らす。鈴が響き渡る。これだけの静寂の中なので必ず向こうにも聞こえているはず。
しばらく鳴らした後、恐る恐る尾根の下の方を覗いて見る。
特に動くものは見えなかった。そして移動する音も消えていった。なんだったのだろうか。カモシカかな。そう思いたい。


一本杉峠から10分ほどで猿ヶ鼻山頂に辿り着いた。
短いので感慨も特にない。景色も開けないし、個人の方々が付けたプレートがある程度。写真だけ撮り、すぐに下山に掛かる。
まあ、どうでもいいが山頂でゆっくりしたって山は、意外と少ないかもしれないなあ。

半年ぶりの登山なので登りの息切れも辛いが、下りの足の痛みも結構酷い。下りは足の負担を減らすストックは必需品である。3本の足(ワンストックなので)で下る訳なので足も楽だ。それでも痛いが。


一本杉を通過し、無事登山口まで戻ってきた。下山するとまた日差しも出ている。春の天気は変わりやすい。
帰りは佐久間湖をゆっくり眺めながら帰宅。もうこの辺りの山々は大体踏破したので、次この湖を見るのはいつになるのかな。

尾根の左下から何かが移動する音が・・・ 猿ヶ鼻山頂 佐久間湖


疲れたが、久しぶりの登山に満足できた。
やっぱり登山は楽しい。



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