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2010年7月10-11日
1泊2日
百名山
木曽駒ヶ岳木曽駒ヶ岳

南竜ヶ馬キャンプ場


【ルート】
day1 別当出合 中飯場 甚之助避難小屋 南竜ヶ馬キャンプ場(泊)
day2 南竜ヶ馬キャンプ場 甚之助避難小屋 中飯場 別当出合
主な山 :-
行程 :1泊2日
宿泊 :テント
最低気温 :10度
難易度 :★☆☆☆☆
お勧め度 :★★★☆☆

【コース概要】
日本百名山の白山。高山植物が多くても有名。
登山口は色々あるが、一番メジャーな別当出合から登る。中飯場、甚之助避難小屋など休憩所もほど良く配置されており、しんどいがトイレの心配などなく登れる。山中のテント場は南竜ヶ場しかないが、雰囲気はとても良く、また訪れてみたい場所である。ただし、テント場から山頂までは片道2時間程度かかる。




せっかく7月に入り夏山シーズンになったのに、まだ梅雨が終わっていないので毎日雨ばかり。
6月後半に3連休があったがそれも雨で自宅待機。そして7月に入っても雨状態だったが、もう我慢が出来ずに多少雨でも山に向かうことにした。

目指したのは白山。本当は八ヶ岳に行こうと思っていたのだが、山の天気予報では白山が一番晴れマークが出ていたので急きょ変更した。もちろんテント山行。実にGWに登った比良山系以来である。

前日の金曜日に仕事を終え、家で出発準備を整えて、午後11時に家を出発。
しかし夕飯で食べたイカ焼きが少し痛んでおり、いきなり下痢に襲われる。味付けがしてあるイカ焼きだったのだが、少しチーズっぽくなったのを「おいしい」とか思って食べたのが原因であった。
しかし、これから起こる苦難の白山紀行のひとつの前兆だとは、この時全く予想もできなかった。


まだ少し小雨が降る東名阪道を走る。このまま東海北陸道に入り、白川郷ICで降りて「別当出合(登山口)」へ向かう予定だ。
白山に行き慣れた人なら既にこの時点で「おかしい」と気付いたとは思うが、仕事の疲れで集中力がなかったのと、事前準備がしっかりできていなかったのがそのこれから起こる不運の原因であった。

まだ車の少ない高速を走る。暫く走りながらふと気付く。
「あれ、分岐を過ぎたかも・・・」
もうしばらく走って周りを見ても間違いないようだ。やれやれ。集中力を欠いているようだ。一度高速を降りて、再度乗り直す。そして今度は順調に北に向かって走り始めたのだが、、、あれ?一宮辺りで何か高速が終わるような雰囲気・・・
と、そのまま一般道(国道22号)に出てしまった。。
また間違えてしまったようだ。再度地図で確認し、国道22号を北上。ようやく東海北陸道に入ることができた。

初めて走る東海北陸道を順調に北に進む。途中から一部が2車線になった。公共事業で4車線化の論議をしていたのを思い出したのだが、確かに対向車を近くに感じながら走らなければならないので危ない。しかも中央分離帯が、「ひ弱なゴムの棒」のようなもの。単発の有料道路じゃあるまいし、中部と北陸を結ぶ高速としては何とも情けなく思う。

眠気と闘いながら午前2時過ぎ、白川郷ICで降りる。
地図によるとここから白山スーパー林道を通れば「別当出合」までもうすぐのはず。
が、何と入口まで行くと、この白山スーパー林道というのは午前7時からしか営業をしていないことが分かった。。何ということだ。どうやらここは「観光道路」のようであった。しかし午前7時まで待っていたら、とっくに登山開始の時間になってしまう。

地図を取り出して再度確認。
本来「別当出合(登山口)」へは、名神自動車道から北陸道に入って北に向かわなければならないようであった。今更ながら気付いた。下準備不足は否めない。しかし、こうなればもう北陸(金沢)まで出てそこから南下して行くしかない。
今日、「4度目」の高速に入る。まったくもって何かおかしい。。

小矢部川SAで給油し、小雨が降る中北陸道を走る。随分町になってきたが、看板の至る所に「金沢」の文字が見える。随分遠くまで来たもんだ。
金沢西ICで降り、国道8号線、157号線と南下する。白山スーパー林道の出口が見えてきた。本来ならここに出てくる予定だった。まあ、いい。

雨が強くなってきた。
真っ黒な空の上から、大きな雨粒がシャワーのように降り注ぐ。道が悪い。悪いというよりか、雪でのスリップ防止の為だろうか、わざと道がガタガタするようになっている。

ガタガタガタ。
って、ちょっと、おかしい。ハンドルがすごくとられる。まさか!
慌てて側道に車を停めてタイヤを見ると、ああやっぱり。パンクであった。見事にぺちゃんこである。タイヤが古いのでパンクしてしまったのだろうか。とりあえず急いでスペアタイヤを取り付け、先に進む。
他のタイヤは大丈夫だろうか。不安を抱えながら早朝5時半、ようやく「別当出合」に到着した。


1時間ほど仮眠をして、曇り空の中、登山の準備を始める。
タイヤは今のところ無事のようだが、タイヤが古くなっているとすれば時間が経てば、他のタイヤも空気が抜けてしまう可能性もある。スペアはもうないし、正直心配でならない。

まあ悩んでいても仕方がないので、とりあえず今は登山を楽しもうと出発。
歩き始めてすぐに「別当出合登山口」に到着。ここでトイレ等を済まして、再び歩き始める。空は曇り。レインウェアを着るほどではないが、少し歩くだけで汗だか霧だかでベタベタになってしまう。


吊橋を渡り、登りが始まった。
道は非常に整備されている。さすが白山の中でも最も登山客が多い道だ。多くの場所で石が並べられており、雨でなければとても登りやすい場所だろう。
だが、「登る人(自分)」が良くない。
何せ梅雨のお陰で、ここ1ヶ月は山に入っていない。だからすぐに息が上がってしまう。テントを担いでいるので荷物は大きいのだが、それにしても足が重い。
調子がいい時は、不思議とこの荷物の重さを感じない。背負っているのを忘れてしまうような時がある。体と山が一体になった時だ。でも、今はダメ。いつもの倍以上に重く感じるし、足には鉛がついているように重い。

今の自分は、山に受け入れられていない。

そう思えて仕方がなかった。準備不足といい、先の高速といいパンクといい、今日は何か違う。でも、今は山を楽しむ。待ち侘びれた山に来たんだ。山を楽しもう。そうだ。雨に降られていないだけ、まだ運がいい。さて進むぞ。


別当出合駐車場 登山口 別当出合までの道
別当出合駐車場 登山口 別当出合までの道


駐車場から別当出合登山口までは、20分ほど登らなければならない。駐車場にはトイレもなく、多くの人が別当出合の休憩所(屋根つきの建物などもある)で登山の準備を整える。
別当出合登山口から、いよいよ本格的に登山が始まる。大きなつり橋を渡り、うっすら濡れた登山道を歩く。やっぱり運動不足で結構しんどい。。

7時40分に最初の休憩ポイントである、中飯場に到着。正直もうここでくたくたで、バテバテだ。
人一倍多く休憩をして、相棒と共に出発する。
ふと気付いたのだが、白山は日帰り登山者が多い気がした。途中で少し話した人も日帰りだったし、何より皆背負っているバックが小さい。小屋泊は別として、テント泊ならすぐに荷物で分かる。でも、ほとんど見なかった気がする。
まあいいや。人が少ないのはいいことだし、それに自分はテント泊の山行を楽しんでいるのだ。

少しずつだが高山植物が姿を現すようになった。
名前は全然分からないのだが、小さな花などは可愛らしいものである。何枚か写真を撮って先に進む。(帰って来てから調べた)


午前10時、甚之助避難小屋に到着。
多くの人が休憩している。ここは自由に使える避難小屋で、水もトイレもしっかり整備されているので、休憩にも良い場所である。生憎天気は時々晴れたり、曇ったりとはっきりしないが、休憩をしていると涼しい風が心地よい。


別当出合にある休憩所 吊橋 整備されている避難小屋
別当出合登山口にある休憩所 吊橋 整備されている上り坂
登山道には石が多い キヌガサソウ 甚之助避難小屋
登山道には石が多い キヌガサソウ 甚之助避難小屋


午前11時前に、ようやく室堂に繋がる分かれ道に出る。今日は南竜ヶ馬キャンプ場に行くので、このまま登ることはない。地図を見るとここからは下りが多いようだ。よしよし。
増えてきた高山植物を眺めながら進むと、先に小屋らしきものが見えてきた。南竜小屋である。今日のゴールだ。いやいや素晴らしい。新緑の山に、残雪の白がまったくもって見事なコントラストである。空気も美味しく、涼しくてここは「白山アルプス」と名付けてもいいだろうと思う。

さて、少し進むと小さな橋があるのだが、そこに大きな残雪が横たわっていた。足跡はしっかりしているのだが、雪の量も多く、傾斜があるので滑ったりするとかなり危険である。念のために持ってきた軽アイゼンを使う時が来たようだ。
ゆっくりと相棒の分とふたつを装着し、雪上に立つ。

「おお、滑らん!」
当たり前なのだが、ちょっと感動である。落ちないようにゆっくりと進み、残雪ゾーンをクリアする。白山、さすがだ。


室堂への分かれ道 テント場への道 分かりにくいけど、左上から下りてきます。
室堂への分かれ道 テント場への道 分かりにくいけど、左上から下りてきます。


午前11時半、ようやく南竜ヶ馬キャンプ場に到着。ちなみにテント場に行く前にも大きな残雪があり、苦労して上がった。これはもう雪渓のようなものだ。

テントを張る。
周りの山々には緑色に白の残雪が映え、何とも美しい。テント場の雰囲気は最高の部類であろう。幸い天候も回復してきて青空も広がり始めている。下界の曇が嘘のようだ。
残っていたおにぎりを食べ、テント前でごろんと横になる。風はそこそこ冷たいのだが、強い日差しで体が暖まる。山を登り終えた充実感で何とも心地良い時間が流れる。

モンベル(mont-bell) ステラリッジテント 2型 SUYL [1~2人用] 1122283


先程少し話した近くでテントを張っていた御老人は、「明日は雨が降るからこれから山頂に行く」と言って出掛けてしまった。時間は十分あるのでもちろん行く事は可能だが、久々のテント山行で体はくたくたである。自分はこのままゴロゴロとすることにした。
明日、雨が降ったら雨が降ったで、その時どうするか考えようと思う。

ビールを持ってきたのを思い出した。
先程の雪渓まで戻り、コッヘルに雪を詰め、ビールを冷やす。久々に冷えたビールを山で味わった。やはり美味しい。辛い思いをして持ってきた甲斐があるというものだ。


南竜小屋が見えてきた テント場へはあの雪渓を登る 南竜ヶ馬キャンプ場
南竜小屋が見えてきた テント場へはあの雪渓を登る 南竜ヶ馬キャンプ場
ヨツバシオガマ 雪渓の雪で冷やす 今日の夕飯
ヨツバシオガマ 雪渓の雪で冷やす 今日の夕飯


日が暮れてくる。
でも今ちょうど日が長い時期のようで、午後7時半になってもまだ薄暗い程度だ。8時には寝たいのでテント内を整理し、寝床に着く。外の気温は12度。ちょっと冷える程度で、何とも過ごしやすい。


隣に張っていた学生グループのテントがうるさく、相棒はあまり寝れなかったとのことだ。幸い自分は昨夜徹夜で運転していたので、床に入ってすぐに熟睡。午前4時に起床したのだが、既に多くのテントが撤去されていた。山の朝は早い。
気温を見ると10度。テント内の結露もない。快適である。

ただし天気は快適とはいかない。曇から小雨に変わってきた。
明るくなってきた後からも雨は止まず、逆に本降りになってきた。梅雨なので仕方ないが、何とかあと数時間もって欲しい。

しかし気持ちとは裏腹に雨は強さを増してゆく。
相棒と相談した結果、今回は山頂へは諦める事にした。室堂へ行くトンビ岩ルートへも行ってみたが、残雪が多く、とても登れる状態ではない(他のルートは大丈夫のようだが)
それに正直なところ、昨日の疲れがまだ取れていないし、天気が悪く足場も悪い中歩くのは非常に疲れる。そして何より、車が心配である。「駐車場に帰ったら空気が抜けていた」、何てことも考えられるのでできるだけ早く下山したい。
口惜しい気持ちもあるが、山に来た目的は山頂ばかりではない。山を歩いて雰囲気を楽しみ、テントを張り、飯を作り、美味しい山の水を飲み、寝袋で寝る。そして歩く、花を見、ゼイゼイ息をする。全てが山の楽しみである。だから、ここまで苦労してきて山頂を諦めたことが、自分でも信じられないぐらい不思議と自然に選択できた。
結局この選択は正解であった。


帰りは朝からレインウェアを着て、昨日の道を下る。
道は整備されているが、石を使った場所も多いので雨だと滑りやすい。心配通り、帰りは3回も転んでしまった。滑りやすいのもそうだが、何より疲れで集中力が欠けていたのも大きな理由だ。


夕暮れ トンビ岩コース 翌日は朝から雨
夕暮れ トンビ岩コース入口(行けません) 翌日は朝から雨


3時間半かけて別当出合まで戻る。何だか嬉しかった。それ程疲れていたのだろう。
幸い車のタイヤはまだ何とか大丈夫であった。しかしタイヤが古いので帰りの高速、そしてこれからの山のシーズンを考えると、そろそろ新しいタイヤに交換した方がいいかもしれない。
という訳で、下山して近くのガソリンスタンドで勢いでタイヤを4本交換。
これで安心って事で、高速に乗り、SAで休憩の為立ち寄ると、何とまた同じ箇所がパンクしていた。。
なんて事だ・・・

どうやら原因はタイヤではなく、ホイールか何かであろう。
再びスペアタイヤを付け直し、仕方がないので、そのまま自宅まで何とか戻る。結局ディーラーで見てもらったのだが、原因はタイヤの空気を入れるバルブが古くなって空気が漏れていたそうだ。新品で買ったタイヤもまだ使えるとの事で、そのまま付けて貰った。4万近くの予想外の出費だったが、これからの夏の登山シーズンを考えれば、安全が優先だろう。

それにしても今回の白山登山は、最初から最後まで苦難続きであった。
山頂へは、またいずれリベンジするぞ。



データ
別当出合駐車場 マイカー規制時以外では、ここまで車で来る事ができる。駐車場にトイレなどはないので、少し山道を登った先にある「別当出合登山口」まで行く。駐車無料。マイカー規制がある場合は、市ノ瀬ビジターセンターまでしか車で入ることができず、そこから「別当出合登山口」までバスを利用する。
南竜ヶ馬キャンプ場 300円/1人。受付は南竜小屋にて行う。水場、トイレ共にテント場にある小屋(それぞれ別)の中にある。広いサイトで雰囲気も良く、長居したくなる場所。
ルート所要時間
day1:別当出合(06:50)→中飯場(07:40)→甚之助避難小屋(10:00)→南竜ヶ馬キャンプ場(11:30)【4.5h】
day2:南竜ヶ馬キャンプ場(05:30)→別当出合(08:50)【3.5h】
※別当出合駐車場から登山口までは徒歩約20分






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