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2011年9月10-11日
1泊2日
北八ヶ岳(天狗岳)

白駒池


【ルート】
day1 草麦峠(登山口) 白駒池 ニュウ 中山峠 東天狗岳 本沢温泉(泊)
day2 本沢温泉 東天狗岳 中山峠 中山 高見石小屋 白駒池 草麦峠
主な山 :東天狗岳(2,646m)
行程 :1泊2日
宿泊 :テント泊
最低気温 :11度
難易度 :★★★☆☆
お勧め度 :★☆☆☆☆

【コース概要】
日本百名山のひとつ。東京や名古屋からのアクセスがよく、手軽に楽しめる山。なだらかなイメージがある北八ヶ岳を登る。
山小屋も多く一見歩きやすいように思えたが、大量の濡れた岩に苔がひしめき滑り易く、非常に歩きにくいと思い知らされる。景色はイメージ通り木々が多い山の風景が広がる。



Day1

8月は相棒の足の火傷の治療と仕事が忙しかった為山に行けなかったが、9月になったようやく少し休みが取れたので「安く行ける」八ヶ岳に向かった(金がない〜)。昨年南八ヶ岳には行ったいたので、今回は北を歩くことにした。なだらかで優しいイメージのある北八ヶ岳。久し振りの山行にはちょうどいい、とこの時までは思っていた。

夜の中央道を走る。高速1000円がなくなってしまったので、今はもう通常料金(割引はあるが)でしか走れない。それでも交通量はまずまずあるかな。今回もナビによって走る。楽だ楽だ。到達時刻も分かるし、残り距離も分かるし、何より暗い車内で地図を何度も見なくてもいい。集中力のなくなる深夜には本当にありがたい。

諏訪インターで降り、国道299号線を走る。メルヘン街道と呼ばれ昼間なら綺麗な景色を堪能できるようだが、今は漆黒の闇。ただただくねくねと曲がった道を走る。突然鹿などが現れて驚く。

午前4時には麦草峠の駐車場に着く。最初に着くこの駐車場は無料。この先にある駐車場は有料なのでここで停める。暫く仮眠を取り、午前6時半に出発する。しかし立派なトイレも完備されているのに、駐車場は空いているなあ。。


今回の山行の目的は天狗岳と本沢温泉の温泉である。天狗岳からは景色を、本沢温泉では山の温泉を堪能したい。
最初は白駒池に向かってなだらかな道を歩く。多くの場所で遊歩道が整備されており、非常に歩きやすい。ひんやりとした早朝の空気と相まって中々の好スタートを切る。


麦草峠の無料駐車場(撮影は帰り) 舗装された遊歩道 トリカブト


やがて森の中に入って行き、北八のシンボルである苔が現れて来た。場所によっては一面に生えており中々神秘的だ。道は相変わらず整備されていて歩きやすい。
しばらくすると白駒池に着いた。今日まずはこの池を一周してにゅう(山の名前ね)を目指す。池の周りにもちゃんとした遊歩道があって気軽に歩ける。苔も深くなり、北八ヶ岳に来たんだと言う実感が出てくる。しかし土曜日だと言うのに人が少ないのは不思議だ。


白駒の奥庭 池の周りも舗装されている シンボルの苔


白駒池を過ぎると、やや登りとなる。これからはにゅうに向けて頑張って登らなければならない。意外と多いのが石。それも大きめの物がやたら目につく。それに巻きつくように木の根っこがあり、先程に比べるとやや歩き辛い。久し振りの山、登りにゼイゼイ息をつきながら黙って登る。多少他の登山者にも会ったが、テント泊をするような荷物を持った人は全くいなかった。


天気も良く、木々の間を歩くので清々しいが、登りはやはり辛いもんだ。
出発から3時間ほどしてようやく尾根にでた。景色がいい。遠くに富士山も見えるし、南八ヶ岳も良く見渡せる。にゅうの山頂も目の先にある。ザックを置いてにゅうの山頂に立つ。目の前には北八ヶ岳の森が広がる。本当に木が多い。一面緑の絨毯のようだ。噂通りの山だと改めて思う。


綺麗な歩道 湿地もある 岩だらけの登り
にゅうへ! にゅう山頂付近 右端に富士山も見える


小休憩を挟み、中山峠に向かう。その後、天狗岳に登る予定だ。地図を見る限り、しばらく登りもないだろう。先へ進む。
この登山道はあまり人が歩かないのかな、そんな風に思えた。道が狭く、足跡はしっかりしているがあまり人がたくさん通っている感じはない。稜線なのだが、木々が茂り景観はほとんどない。岩も多く歩き辛い。期待していたのだけど残念だった。
黙々と歩いて午前11時過ぎに中山峠に到着した。本来はここらで一泊しようかと思っていたが、まだ時間が早かったことと、余力があったので一気に本沢温泉まで行く事にした。この時点では本沢温泉への道のりを舐めていたと思う。
そのまま先に進む。先の方に高い山が見えて来たが、最初は何の山だか分からなかった。だが、それがこれから登る天狗岳と気付いた時にはちょっと絶句した。
あれを登らなきゃならんのか。。

嘆いていたも仕方がないので黙って進む。それにしても足場がどんどん悪くなる。岩が多いのだ。膝丈ぐらいある岩がゴロゴロしている。昔、噴火したらしくその名残だそうだが、非常に歩き辛い。天狗岳はほとんど岩登りとなっていた。
そんな矢先、アクシデントが発生。
相棒が岩で滑って頬を強打。持っていた凍らせたジュースで冷やしていたのだが、休憩等も含めて随分と時間を使ってしまった。骨などに異常がなかったのが幸いだ。ちょっと雲行きがおかしくなってきた。まだまだ天狗岳の山頂は遠い。


中山峠までは景色も道も悪い あの山に登るのか? どこまで行っても岩


13時を回るとだんだんガスってきた。夕方までには本沢温泉に着けばいいと思っていたが、予想以上に時間が掛かっている。既に7時間近く行動している訳だから、体力的にも辛くなっている。道は相変わらず岩山で、文字通りよじ登らなければならないような場所も結構ある。曇って風が吹くと結構体温も奪われるので慎重に進む。

14時になってようやく天狗岳に到着した。隣に西天狗岳もあったが、とてもそんな場所まで行ってられない。少し小休憩をしてすぐに下山。本沢温泉へ向かう。
しかしこの山頂付近もかなり危険。岩だらけなのだが、急斜面でもある。ゆっくりゆっくりとこれまた慎重に下る。ここらまでくると結構雄大な景色が広がっているのだが、疲れからかそれを楽しむ余裕も無くなってきている。
しばらく下ると、本沢温泉へ向かう白砂新道への分かれ道に到着する。ここからは純粋な下りだし、稜線ではなくなり冷たい風もないので楽勝だと思っていたのだが、実はここが最後の難関であった。


岩登り! 這うように登ります 岩祭り
東天狗岳山頂(2,646m) 景色は雄大 道は大変


何せ道が悪い。どうやらここ北八は登山者が少ないようだ。道がしっかりと踏まれていないし、北アルプスのように整備も貧弱だ。それ故「山の中を歩いている感じ」は非常に強いのだが、体力や調子が悪い時にはしんどくなる。足場悪かったり、登山道に枝等が遮っていると必要以上に体力を使う。山に来ているのだから我儘なことなのかもしれないが。。

地図上ではほんの少しなのだが、歩いても歩いても本沢温泉へ辿り着かない。山の影になっていて周りはかなり薄暗くなっているし、何だか予想以上に無茶苦茶下っている気がする。明日はまた同じ道を登らなきゃならないので、下れば下るほどブルーになって来る。
ほとんど会話もなくなり、足の痛みもピークを迎えた頃、ようやく本沢小屋が見えた。いつもいつもそうなのだが、宿泊する小屋に到着した時の喜びは何物にも代えがたい。

16時半、山小屋に到着。先の分かれ道から2時間も下ったことになる。地図上では50分なのに。。
小屋の前には予想以上の人で賑わっていた。この本沢温泉にはもちろん色々なルートからやって来れるので当たり前なのだが、先程までの静かな森の中、自分と相棒以外の「動」がない世界からは異様に映った。
とは言えもうくたくたなのですぐに受付を済まし、テント場へ向かう。


ここから白砂新道へ 道、悪っ! ようやく到着・・・


予想以上に遠かった。
小屋からテント場までは下りで約3分。3分程度何?って思うかもしれないが、標高は2,000mを越え、しかも疲れ果てた体には地獄の移動である。しかも辿り着いたテント場はとても広いとは言えず、平らな面も少ない。さらに水場とトイレは先の小屋にある言う(テント場にある沢の水も飲めるそうだが、煮沸が必要)。山の中で泊る場所があるだけ感謝しなきゃならないとは思うが、テント泊者には辛い場所だ。実際小屋へ行くには登りになるので5分かかる。朝などテント場でもよおしたら最低5分は耐えなければならない。この5分長いぞ。しかもトイレは仮設用の物が2つしかないので、混雑時には列も予想される。何度も言うが厳しいテント場だ。


本沢温泉テント場 水場(小屋) トイレ(小屋)


良い場所がないので下の方に張る。テントを張り終えた頃にはもう薄暗くなっている。温泉の代金(600円/人)も払ったので何が何でも温泉にも入る。しかしこの温泉も遠かった。。
小屋まで行って、さらにそこから10分ほど登らなきゃならない。テント場からはゆうに15分。仕方ないよな。。これは贅沢なんだから。。

モンベル(mont-bell) ステラリッジテント 2型 SUYL [1~2人用] 1122283

温泉は豪快である。強烈な硫黄のにおいが立ち込め、谷の合間にポツンと湯船があるだけで他は何もない。無論男女で分かれていることもない。暗くなってきているので早速入る。先客がいたので挨拶をする。話では先日の台風で、水浸しになり、仮設の脱衣所もあったそうだがそれも流されてしまったとのことだ。初めてだから分からないが、確かにお湯の底には砂利(?)がたくさんあった。
湯は白く濁ったお湯だ。と言うより茶色か?硫黄の匂いもきついが、入っている分にはほとんど気にならない。真っ暗になるまで入り、帰りはヘッドライトをつけながらテント場に戻った。

本沢温泉
(撮影は翌朝/人物は見知らぬ人です)


Day2

翌日は7時前にゆっくり起きる。ゆっくり朝食や片づけをしていると出発は9時になってしまった。出発前に一応温泉の写真も撮る。
さて、今日は昨日下った白砂新道を「登る」。気持ちいい日差しの下、ゆっくり進む。昨日の薄暗い山の景色と、今の明るい景色では同じ場所でも随分と違って見えるものだ。登りは大変だが気分よく登れる。いやいやまあ、それにしても木々の根っこが絡み合ったり、壁になってみたりと大変な道である。

予想通り何人もの登山者に抜かれ、そしてゼイゼイ息を切らしながら登ること2時間、ようやく天狗岳へ行く分岐点に着いた。ここからは稜線歩きだ。昨日と違ってまだ陽も高いので、冷たい風もない。


白砂新道1 白砂新道2 天狗岳へ


ここからは綺麗に両天狗岳が見える。天気もいいので景色もいい。が、また登りである。しかも岩場。ゆっくり登れば安全だが、ちょっと緊張する。

右手は西天狗岳


12時20分、再び天狗岳山頂に立つ。午後になったのでやや曇ってきている。少し軽食を摂り、そのまま昨日来た道を戻る。
それにしても岩が多い。ここらからほとんど岩の上を歩いている感覚だ。目の前には北八を象徴する緑の絨毯が広がっているが、目指す駐車場は結構遠そうだ。天狗岳からは一気に標高が下がる。その分急斜面と言う意味でもあるのだが、やはり足場が悪い。岩にへばりつくように下ってゆく。


14時に中山峠に到着。ここからは昨日の道ではなく、新しい道を通る。駐車場に向けて一直線に向かう道だ。体が相当悲鳴を上げ始めているので、早目に戻りたくなってきた。
しかしねえ、、ここら岩多すぎ。硬い路面は足の負担が非常に増す。滑りやすいので注意も必要になる。1時間程とぼとぼ歩き、中山を過ぎ、見晴らし台へ。既に曇っていて景色はない。


なだらかそうに見えるのだが・・・ 中山峠も岩 見晴らし台も岩


ここからさらにきつくなる。
下りなのだが、まず斜面が急。それに岩が一面覆い尽くしている。それだけでも大変なのに苔が生えていたり濡れているので、無茶苦茶滑る。滑ったら最後、岩に体をぶつける訳で大怪我の元にもなる。正直「酷い道」である。北八に人が少ないのもなんとなく分かった。こんな危ない道歩きたくない。時間が遅くなったのは自分のせいだが、気を抜くと足を持って行かれるこの登山道はかなり危険である。正直、北八を舐めていたと思う。とは言え、もたもたしていると暗くなってさらに危険が増す。安全を確保しながら、急いで下る。

途中、高見岩小屋に16時20分、白駒池に戻って来たのは既に17時を回っていた。もう薄暗い。登山者もほとんどいない時間帯だ。結局最後は国道299号線にある有料駐車場に出て相棒を残し、単身車を取に行った。もう歩けないそうだ。


苔や濡れた岩が続く ここで転んだ 遊歩道が現れれば白駒池は近い


楽な山行だと舐めていたが、予想外のしっぺ返しを食らった。また下山中に一度転倒して左膝を強打したのだが、1ヶ月ぐらい痛みが残った。もう当分北八に来ることはないかな、、とか思ってしまった。



「苔の世界」と「緑の絨毯」




草麦駐車場 無料駐車場。国道299号線(メルヘン街道)沿いにある。20〜30台ほど駐車可能。トイレも完備。
本沢温泉キャンプ場 600円/人。名前の通り歩いて5分ほどの場所に日本最高所(2,150m)の天然温泉がある。入浴は600円/人。テント場は歩いて3分ほどの場所にある。トイレは小屋付近にあるのでテント場からは3分ほど登らなければならない。水場も小屋付近(テント場近くの小川は煮沸後飲料可)。 

ルート所要時間
day1:草麦峠(登山口)(06:30)→白駒池(07:20)→ニュウ(09:40)→中山峠(11:10)→東天狗岳(14:00)→本沢温泉(16:20)【10h】
day2:本沢温泉(09:00)→東天狗岳(12:20)→中山峠(14:00)→中山(13:50)→高見石小屋(16:20)→白駒池(17:10)→草麦峠(17:50)【9h】





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